全救NETとは


地域・世代の垣根を超える

令和3年、救急救命士法が改正され、救急救命士の職域が医療機関まで拡大されました。救急救命士が病院前から病院内までのプロセスで連鎖することにより、救急医療をより強固なものにします。

近年、「病院救命士」「消防救命士」という用語で救急救命士が職域によって「区別」されることもありますが、これからは両者がいかに「連鎖」するかが課題である。他方、救急救命士が活躍する職域は消防機関や医療機関だけではありません。救急救命士の職域の裾野は、既に教育機関、民間企業にまで広がっています。多様化する社会で救急救命士がもつ力を発揮し、社会に貢献するためには職域という垣根を超えたすべての救急救命士の連鎖が必要であることは間違いありません。
  
令和4年3月、一般社団法人日本救急救命士協会が第1回救急救命士フォーラムを開催しました。プログラムには全国で活動する自主勉強会の活動紹介に関わるセッションが組み込まれており、同セッションがきっかけとなり、現在の全救NET構想が誕生しました。


全救NETの目的

プレ・ホスピタルケアは全国の消防機関によって行われています。その主たる担い手は救急救命士です。メディカルコントロール(MC)協議会の枠組みが整理されたことにより、日本のプレ・ホスピタルケアの教育、質は大きく改善されました。特に地域MCが起点となり、各地域で特有の課題の解決、プレ・ホスピタルケアの医学的質の担保が行われていることは大きな成果の1つといえます。一方、地域MCという強固な枠組みが垣根となり、地域を超えて救急救命士が学び合う機会が減少した側面もあります。

プレ・ホスピタルケアは地域に根付いた実務ですが、学びは地域に限定される必要は全くありません。各地域には個人で学びを深める様々な世代の救急救命士、自主勉強会を組織して学びを深める救急救命士がいます。個人・自主勉強会組織が地域や世代の垣根を超えて学び合うことはプレ・ホスピタルケアを通じた最大の社会貢献といえます。 


職域の垣根を越える

各地域において単独で活動する救急救命士個人、各自主勉強会組織同士が互いに連鎖し合い、研修会を開催することにより救急救命士の知識及び技術の向上に寄与すること。
  
世話人一同